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ジミヘンのおいしいもの探し

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映画「シャンハイ」 ~タナカ大佐の男気と苦悩


 あまり期待をせず、米中合作映画「シャンハイ」を
観たのだが、意外に”ひろいもの”の作品だった。
言ってみれば、「戦争ラブサスペンス映画」か?


1941年、日米開戦前夜の上海が舞台だ。
「日独極悪?同盟」と「抗日レジスタンス」の闘いに加えて
その戦況を見守る米英人、といった構図か?

ストーリーの軸は、米国諜報部員の男と、上海の裏社会を
牛耳るボスの妻との不倫愛だが、そんなことはどうでもよい。
日本軍の冷酷非道な殺戮と、タナカ大佐の生きざまに
釘づけになる。

映画「シャンハイ」 ~タナカ大佐の男気と苦悩_a0048918_9193512.jpg


日本軍は泥沼の戦争にのめり込んで、展望を見失った。
前線基地の指揮官タナカも苦悩の内にもがき苦しむ。
そして、日本軍にすり寄って甘い汁を吸うボスの妻は、
父を日本軍に殺された女だった。
彼女は抗日レジスタンスとして、テロを指揮する。

米国諜報部員のひ弱さが際立つ。
彼の任務は日独伊の動向を探ることであり、友人を殺害した
真犯人を突きとめることにあるのだが、妖艶な中国美人の
色香に惑う。

映画「シャンハイ」 ~タナカ大佐の男気と苦悩_a0048918_920339.jpg


この映画の見方は様々である。
米国人は、開戦前夜の各国のかけひきと行動に注目するであろうし、
中国人は、ただひたすらに蹂躙される祖国への絶望と、日本軍への
憎しみを感じるだろう。
そして、私たち日本人は追いつめられた日本武士道の非情さに
戦慄し、大いなる悔恨に打ちひしがれる。

だが、救いは、怜悧なタカナ大佐を演じた渡辺謙の男気であった。


 戦争に正義も不正義もない。


誤解を招く表現かもしれないが、そう思うのだ。
民族間の対立は、法も秩序も人権さえ抹殺してしまう極限的な
状況をもたらす。
キレイごとでは語れない。(だからこそ憎むべきなのだ)


「シャンハイ」はエンターテイメント映画ではあるが、「人間」
というものの残虐性と切なさを考えさせる興味深い映画であった。

by jimihen-2 | 2011-08-25 09:24 | 映画
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おいしいものはどこにある? 


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