映画「プリンセス トヨトミ」
--なかなか面白い。意外にいいじゃないか?
映画「プリンセス トヨトミ」を観た後の率直な感想である。
ネットでの評価は惨憺たるものだった。
その理由は、多分”期待値”が高過ぎたということだろう。
「その日 大阪が 全停止した。」
「私は大阪国総理大臣、真田幸一です。」
こんなテレビ・スポットを見ると否が応でも期待してしまう。
私は半年ほど前に原作を読んだ。
そのときに同様の失望(肩すかし)感を味わっていた。
つまり、大きな期待をせずに、ハードルを地面すれすれまで
下げて臨んだ映画鑑賞だった。
原作に忠実になり過ぎて冗長になった場面もあるが、逆に
内容を変えて成功したシーンも多くあった。
なにより優れていたのは、テーマを絞り込んで観客に訴求した
ところである。
「父から息子に引き継がれるものがある。」
「大切なものを守るために国民は命を賭して立ちあがるものだ。」
「伝えるもの」そして「守るもの」
「国」は大阪国でも日本国でもエジプト国でもよい。
この映画は、”表層”を追うとバカらしい映画にしか見えないが、
”深読み”すると実に面白い。
”総理が頼りないから、大阪は独立を宣言する”というような
(思わずニヤリとしてしまう)セリフも登場する。
「大阪国」が影の国家ではなく、もっと本格的に表舞台に立つ国家
へ成長すると面白いと思う。
晴れて独立した「大阪国」の初代総理は誰でしょう?