「第9地区」
映画界の鬼才、ティム・バートン監督はインタビューに応えて、こう
言った。
「周囲の批評を気にしない。自分が面白いと信じるものを作るべきだ。
他人の意見を聞き過ぎると、すべてがぶれてくる」
先日、南アフリカの新鋭監督が撮った「第9地区」を観た。
差別や貧困などの社会性に言及する評論家もいるが、私はこの奇妙な
映画に「徹底したオタク映画」のパワーを感じた。
巨大な宇宙船が難破?して、多くの異星人(エビか昆虫のような風貌だ)
が収容され、難民キャンプに長く閉じ込められている・・。
B級SF映画の匂いがプンプンと漂う。
どこかで観たような設定やシーンが連続するが、スタッフは大まじめで
遊んでいる。かつて、UFO研究家を取り上げた特番がテレビで人気に
なったが、そんなことを思い出した。
閉そく感が一杯の現代において未来を切り開いていくのは、普通の常識人
ではなくて、こんな異能を持った「オタク」かもしれない。