鼻ずるずるの”よね吉師匠”
久しぶりの動楽亭です。
今回のお目当ては雀三郎師匠と、よね吉師匠。
特に大トリを務めるよね吉師匠は以前の「子別れ」のように
江戸落語の大ネタをやってくれるのでは、と期待がふくらんだ。
千朝さんのほんわかした独自の”千朝ワールド”を楽しんだ後
は、中堅の九雀が江戸落語「文違い」を披露した。
本人がマクラでこの演目を選んだ理由に触れてから、噺に入った。
よく練習をしていてうまいと思う。
が、彼のキャラと江戸の廓噺はどこか合わないような・・。
中入り後、雀三郎師匠の「八五郎坊主」。
師匠の八の字眉毛と禿頭を見ているだけで、愉快な気分になる。
「ハシカも軽けりゃ、疱瘡も軽い」
「ハシカも軽けりゃ、ほうしゅん(法春)も軽い」
このフレーズが耳から離れない。
さてお待ちかね、よね吉師匠の登場だが、鼻風邪気味のようで
苦しそうだ。
手拭いで鼻を抑え、ときどき紙で鼻をかむ。
出しものは「天神山」であった。
大トリの責任感から、長い噺を苦しそうにこなした。
ヘンチキの源助が花見ならぬ、墓見に行ってしゃれこうべを
持ち帰る。
その夜、小糸の幽霊が現れ、源助は面白がって嫁にする。
隣家に住む胴乱の安兵衛もあやかろうと、骸骨を探しに行くの
だが・・。
鼻をずるずるいわせながら40分間ほどの高座をこなしたよね吉
師匠に大きな拍手がわいた。
次回は、ベストなコンディションで大ネタを聞きたいと思う。