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映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」


  
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 映画開始直後から異星人による地球侵攻が始まり、これを迎え撃つ
アメリカ海兵隊と彼らとの戦闘が最後まで延々と続く。

恐るべき一本調子のハイテンション戦争映画である。まるでパソコン
の戦争ゲームでもやっているような錯覚に捉われる。

映画としては間違いなくB級作品であったが、「今の米国民の気分」を
見せてくれる興味深い一本であった。



 その気分を読み解くキーワードは、「本土決戦」「植民地」「自爆」
などだろうか?

この映画では地球が侵略されたことになっているが、彼ら米国民にとって
は、開国以来初めて米国本土が侵略された驚きと恐怖を描いている。

スピルバーグは「E.T.」「未知との遭遇」によって、それまでの敵対
する異星人から真逆の友好的な異星人像を提示した。
それは米ソ冷戦の雪解け、ベルリンの壁崩壊などによる全世界的な平和
志向を反映したものだった。

しかし、自らメガホンを取った「宇宙戦争」(2005年)では再度、
地球を侵攻する異星人に戻した。
9.11同時多発テロ以降、不可解な敵に対して異常なまでの警戒心を
抱くように変貌した。
「インデペンデンスデー」や、今年公開された「スカイライン-征服-」
でも情け容赦なく地球人を攻撃するエイリアンが描かれている。


   
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前置きが長くなったが、今回の映画である。
米国本土が攻撃される中、勇敢な海兵隊が決死の防戦によって国を守る。
つまりは、アメリカ本土をテロ攻撃から守っているとしか見えない。
これが、最初のキーワード「本土決戦」の意味である。

次の「植民地」は、映画の登場人物が開始直後にポツリと言った言葉。
”やつらは地球を植民地にするつもりでやってきた”

第二次大戦後の覇者となったアメリカはその力を誇示し、アジア・アフリカ
を始めとして、世界に新秩序を作ろうとしたが、中東・イスラエルで
失敗し、多くの人びとを敵に回した。
そして狂信的なイスラム原理主義者がニューヨークを攻撃した(と彼らは
言っている)。
疑心暗鬼になった彼らは、恐怖に慄(おのの)いている。


そして、最後のキーワード「自爆」である。
この映画でも米国人兵士のひとりが敵の圧倒的な攻撃にさらされ、英雄的
な自爆をするシーンがあった。


映画評論家、前田有一氏は以前、或る映画評で、こんなことを書いていた。

『最後にひとつ見どころとしては、この手の映画のおなじみ、特攻シーン。
一見自信満々なアメリカ人にも、特攻についてだけは拭い難い民族的トラ
ウマがあるため、彼らはハリウッド映画のクライマックスでしょっちゅう
そうした(日本人に対する)コンプレックスをぶちまけている。
だが本作のそれは、それを素直に自覚し敬意を払っている点がユニークで
ある。』
 


  
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「エイリアン2」では、エイリアンに囲まれ、脱出不可能と覚悟したダメ
上官が部下の女兵士と共にカッコよく自爆し、「インデペンデンスデー」
では役立たずの酔っぱらい爺さんが宇宙人の母船に体当たりをする。
米国民は「死ぬことを恐れない」武士道ニッポンの特攻隊や、殉教のため
に自爆をするイスラム原理主義者たちに対して、畏怖の念を持つようにな
った。つまり、理解不能な驚愕と憧憬の念である。
だから映画の中で、彼らは次々に特攻隊に志願する。


この映画を見ながら、(眠気をこらえて)こんなことをずっと考えていた。
そうでもしなければ、入場料の元を取れない。

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by jimihen-2 | 2011-09-28 15:57 | 映画 | Comments(0)
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