映画「ソーシャル・ネットワーク」
「ソーシャル・ネットワーク」
世界NO.1のシェアを持つSNS=フェイスブックを創った男
の栄光と苦悩を追ったドキュメンタリー・タッチの作品。
コンピューター・オタクが登場する映画が昔から好きだった。
例えば「ウォー・ゲーム」、
DVDを買って何度見たことか‥。
プログラムの才能がある奴(者)へのアコガレがある。
子供がプラモデルを組み立てるときのような無邪気な楽しさを
感じる。
この映画を見ながら考えたことを、ランダムに羅列してみよう。
1.夢中で遊んでいた子供も、それがビジネスになり、マネーが
からんでくると、無邪気さをなくす。
2.コンピューター・ビジネスの世界において、模倣やパクリは
前提なのではないか。
全く独創的なアイデアなんてないだろう。
アップルのパソコンだって、マイクロソフトのOSだって
先人の模倣だ。
3.SNSは、友達を作りたい、友達のことをもっと知りたい。
そして友達といつも繋がっていたいという若者向きのツール。
フェイスブックは、”セレブ”な出会い系サイトの趣き?
「名門大学の学生と恋人になれる」ということで差別化し、
成功した。
4.映画の構成、出演者、音楽などすべてがすばらしい。
このような緊迫感のある疾走する映画は米国映画の独壇場だ。
5.米国の大学の自由奔放さと、とてつもない知性の集まり。
サンデル教授の「白熱教室」と同様、小さくまとまっている
我が国の大学との違いを感じる。
6.共同経営者間の不和・裏切り・反目は、マネーがからむと
自然に発生する。
単なるゲーム制作者に「会社の経営者」の才能が求められる。
スティーブ・ウォズニアックは去り、スティーブ・ジョブス
が残る。
7.きれいな服を買いたい。誰かステキな人に出会いたい。
コンピューター・ネットワークという最新のツールを使って
いるが、人の行動をつき動かす動機は源氏物語の時代と全く
変わらない。
8.他者より1日でも早くリリースした方が勝ち。
米国で流行っていれば、コピーして日本へ持ち込めば良い。
ミクシィしかり、楽天市場しかり・・。
9.この映画は、現在進行形の勃興企業の顛末を描いている。
それが、リアルな臨場感を生んでいる。
しかも、フェイスブック側の協力なしで製作したらしい。
10.巨万の富を得た(であろう)主人公ザッカーバーグ君は、
映画のラストで片思いの恋人を画面に呼びだして(‥ネタ
バレ禁止‥)する。
このとき初めて観客の心に火が灯り、安堵のため息をつく。